嘘の日記

丁寧なココアを作ってしまった。それもとびきり濃厚な。ジャン=ポール・エヴァンのココアパウダーを買っていて、豆乳と牛乳でそれを溶いて最後に蜂蜜をひとさじ入れた。今はそれを飲みながら日記を書いている。甘い、たぶんあと5口だ……。無くならないで……。

今日は昼前に目が覚めて思いつきで江ノ島に行った。季節性に反抗したかったのだきっと。夏のバカ暑い時に江ノ島に行くカップルとは一線を画してやったぞ、と思いつつ行くと普通に男女ペアしか居なかった。きみらの旬は夏だったろ、今来るんじゃないよ。イカ焼き美味しかったな、美味しさの手柄が全てイカにある味。カップルは食欲減退色をしたソフトクリームを食べていた。かわいそうに、とイカと囁きあった。

慣れない外出はするもんじゃないな、帰宅後お風呂で寝てしまってカピカピに。アーココアが無くなる、もう飲まないぞ……せめて髪の毛だけは守ってやりたくてナイトキャップを買った、嘘だ。足にもやさしくしてやりたいから着圧ソックスをもう2年履いている。着けるのももう慣れっこで、スッってやってパンッ!ってやって、瞬殺だ。

人と関わるのは大変だな、と、思う。気が合う人との予定なら喜んで立てることができるけど、親密度60くらいの人との予定は行かない理由から探してしまう。みんなして無理にカフェとか美術館とか行かなくていいのに。私はずっと家でゲームをしていたい。仲のいい女の子はそれを許してくれる。4時間くらい格闘系のゲームをして、当番制でお昼ご飯と夕ご飯を作るっていうのを続けている。気質が合う人は貴重ですね。そうでもない人と遊ぶ予定の日が近づいてくると気持ちが鬱屈としてしまう。宣告の日が近づいてくるようで、その予定を立てた日はまだ楽しみに思う気持ちがあったはずなのに、当日体調とか崩れていいなって思ってしまう。ダメですね……。

高校生の時、唐突に学校に行くのとか無理になった日があって、降りるはずの駅を無視してそのまま海に行った。着替えもなにも持ってきていないのに足だけ海に浸して、上がってからはさっきまで海だった自分の足を不思議に見た記憶がある。境目なんてどこにもない。さほど好きでもないしらす丼を食べた。しらす丼はそれを食べているときに倫理観とか人間とはみたいな考えを強制してくる。さっきまで私も海だったから許して、だなんてなんの言い訳にもなっていないことを思いながら、多めに醤油をかけた。

そうだ、ヘッドホンを買いました。BOSEノイズキャンセリングが強いやつ、やったね✌️ 誰に見せたいでもない日記をこうやって書いている時、元々静かな部屋をもっと静かにしたくてヘッドホンが欲しかった。今はまだ届いていないけれど、きっと愛着を持てると思う。ココア、結局もう1杯いれてしまった……私は愚かだ。

 

日記を書いている時、どこかで同じようにいま文章を書いている誰かをおもう。交換日記がしたいわけでもない。ただ、その人が振り返る一日が幸福であったことを祈るような気持ちがあるだけだ。